日本赤十字社 神戸赤十字病院

文字サイズ

  • 標準
  • 拡大
代表
078-231-6006
予約センター
078-241-9273(受付時間:平日13:30~16:00)

交通アクセス

電話する
tel
menu

各部

放射線科部

放射線科部の概要

基本理念『患者さん中心の“三位一体”のチーム医療に努めます』

放射線科部は、単純X線撮影・造影検査・CT・MRIなどの画像を提供する画像診断部門と放射性同位元素を使う核医学検査部門の2部門に大きく分かれます。
また、放射線を有効・安全に利用するための漏洩線量測定や被ばく線量測定などの放射線管理業務も行っています。
業務に従事する診療放射線技師は、最先端の医療技術を習得するとともに日々研鑚し専門の資格・認定などを取得してより良い精密な検査の実現を目指しています。
放射線科部内で行われている検査・診断・治療は、放射線科医師のみではなく、消化器内科・整形外科・循環器内科・脳神経外科・泌尿器科などの専門の医師が携わり、看護師・診療放射線技師を含めた三位一体の「チーム医療」を実践しています。
なお当院では、平成15年8月の開院時より放射線治療を行ってまいりましたが、諸事情により平成28年3月31日をもって放射線治療を廃止いたしました。
しかし放射線治療は、がん患者さんにとっては無くてはならないものであります。今後は地域の医療機関と連携を取りつつ、放射線治療後患者の経過観察や放射線治療適応に関するコンサルテーションは、これまで通り放射線治療外来で行ってまいります。
患者さんをはじめ地域の先生方にはご迷惑をお掛けしますが、今後ともよろしくお願いいたします。
また、放射線科部内にはRIS(Radiology Information System)と呼ばれるネットワークが設置されており、病院情報システムと連携しています。患者さんの基本情報の取得や検査依頼の予約の受付、会計などが迅速に行えます。また撮影された画像はデータベース化され、各診療科の端末で読影レポートと共に簡単に取り出すことができ、モニターでの画像診断を行っています。

スタッフ構成

診療放射線技師 22名(内 兵庫県災害医療センター 3名)

認定資格者一覧

(2023年4月1日現在)

認定資格取得人数
検診マンモグラフィ撮影診療放射線技師2
核医学専門技師1
医療情報技師3
医用画像専門技師1
核磁気共鳴専門技術者1
血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師1
救急撮影認定技師7
X線CT認定技師5
肺がんCT検診認定技師1
AI認定技師1
第一種放射線取扱主任者2
放射線管理士1
日本DMAT隊員7
日赤救急法指導員2
自衛消防統括管理者1
赤十字水上安全法指導員2
災害支援認定診療放射線技師1
骨粗鬆症マネージャー1

業務内容

一般撮影

当院は、平成28年2月より一般撮影室に最新鋭のFPD(フラットパネルディクタ)システムを全面導入しました。それにより従来のFCRよりも高画質の画像が得られ、約30~50%の被ばく低減が可能となりました。通常の一般撮影に加え、全脊柱や下肢などの長尺撮影や病室撮影も全てFPDで対応しています。
胸部(肺) X線写真では肺がんや肺炎などの病気が診断され、骨X線写真では骨折や脱臼、関節炎や骨腫瘍などの骨の病気が診断されます。

導入機器

  • 一般撮影装置;東芝メディカル社製:KXO-50SS/J2(2台)
  • ポータブル装置;日立製作所製:Sirius Starmobile Tiara K(2台)
  • フラットパネルディテクタ(FPD);コニカミノルタ社製:AeroDR

注意していただくこと

  • 薄手の肌着・Tシャツ等は画像に影響はほとんどなく、そのままで撮影可能です。ただし、ボタン・ししゅう・文字・プリント柄等は写真に写ってしまう場合がありますのでスタッフにご確認ください。
  • ブラジャーなど金具のついた下着・湿布・エレキバン・プラスチック等は外していただく場合がありますので、ご了承ください。
  • 妊娠している可能性のある方は、撮影担当者にお申し出ください。

CT

X線CT検査は、X線を用い、コンピュータを利用し全身の輪切り画像が得られる検査です。外傷などの救急検査に有用で各部位の早期診断には欠かせません。検査時間が早く数十秒で検査が行えます。心臓の栄養血管である冠動脈の撮影(冠動脈CT)も行っており、狭心症の診断に活用されています。血管病変などの診断には造影剤を使用する場合がございますが、腎機能の悪い患者さんの安全を考えて3か月以内の採血データを基に適切な造影剤量で検査を行っています。

導入機器

  • キヤノンメディカル社製:Aquilion Prime SP(80列)(2台)

注意していただくこと

  • 検査中は体動を静止する必要があります。胸部・腹部・骨盤領域は特に撮影中の呼吸停止を必要とします。(1回につき10~30秒程度)
  • 撮影目的部位に金属類が含まれていると、画像上にその金属の影が映り込み診断に支障をきたす場合があるので、金属を含む下着(ブラ・コルセット類)や装飾品(ネックレス・時計類)、エレキバンやシップなどは事前にはずしていただく必要があります。

MRI

MRI検査とは、磁石の力を利用して体の断面が得られる検査です。放射線は使用しませんので放射線による被曝はありません。
頭部・腹部(肝臓や胆嚢、婦人科・泌尿器科領域など)・脊椎・四肢関節などの検査を行っています。また全身の血管を検査することも可能です。
頭部領域では、初期の脳梗塞・脳腫瘍などに対しての診断が容易で、脊椎領域では外傷による脊髄損傷やヘルニアに有用で四肢関節では、靱帯損傷・半月板損傷などの診断が可能です。検査時間は20~60分程度で、安静に寝て頂くだけで良い画像が得られます。ただし、撮影中に体が動くとうまく撮影できない場合がありますのでご注意ください。撮影中は大きな音がしますので、ヘッドフォン・耳栓をしていただきます。

導入機器

  • Philips社製:Ingenia 1.5T
  • GEヘルスケア・ジャパン社製:SIGNA Explorer 1.5T

注意していただくこと

患者さんに迅速に画像情報を提供するため、様々な工夫をして待ち日数を極力少なくしております。なお、次の内容に該当する患者さんは、検査を受けることができない場合や制限がございますので、主治医または放射線科にご相談ください。

  • 心臓ペースメーカーを装着している方
  • 人工内耳を装着している方
  • 妊娠中、あるいはその可能性がある方
  • 入れ墨、まゆ墨、デザインタトゥーを入れている方
  • アートメイク、アイシャドーをしている方
  • 体内に金属を入れる手術をしている方
  • 閉所恐怖症の方

血管造影

血管撮影検査には、心臓を主に診る心臓カテーテル検査と頭・胸腹部や四肢の血管撮影検査があり、当院ではそれぞれに対して専用の2台の血管撮影装置を有しています。
心臓カテーテル検査室では、狭心症や不整脈の病気の患者さんに対して検査や治療を行います。一方、頭・胸腹部用の血管撮影装置では、頭部血管や腹部血管の病気に対して検査や治療を行います。例えば、狭くなった心臓の血管を広げたり、脳動脈瘤が破れないように血管内治療したり、腫瘍血管に薬を注入するIVR(経カテーテル治療)が盛んに行われていて、外科的な手術と同等の成績が得られています。
検査方法は、足の付け根、手首、肘などからカテーテルと呼ばれる細い管を血管内に挿入し、造影剤を注入しながら血管のX線撮影を行います。これにより、血管病変やがんなどの臓器疾患の診断が可能となります。

導入機器

  • Philips社製:Allura Xper FD10/10 Clarity(心臓カテーテル検査用)
  • 東芝メディカル社製:Infinix Celeve-i  INFX-8000C(頭腹部血管撮影用)

診断方法

  • 腫瘍の有無や良悪性の診断
  • 血管障害(出血・塞栓・血栓)の診断
  • 機能診断(心臓の動きなど)

治療方法

  • 病変部に直接薬剤を注入する
  • 腫瘍に栄養を運んでいる血管をふさぐ
  • 出血している血管をふさいで止血する
  • 狭くなっている血管を広げる

治療内容については担当医にご確認ください。
なお、検査時間は治療の内容により幅があります。リラックスしていただくため音楽を流すこともできますので、普段お聞きのCDなどをお持ちいただいても結構です。

透視検査(X線TV)

透視検査はテレビモニターで実際の動きを見ながら行う検査です。主に、胃や腸の消化管透視(バリウム検査)で検診や術前の精査を行います。他にも内視鏡を用いた気管支や膵管・胆管の検査、整形での関節・脊髄腔の検査や治療も行っています。

導入機器

  • 富士フイルムヘルスケア社製:CUREVISTA

注意していただくこと

  • 更衣が必要な場合は検査衣をご用意していますので、ご利用ください。
  • メガネ、時計、イヤリング、ピアス、ネックレス等ははずしていただきます。検査部位近くの湿布やカイロ類も同様です。
  • 検査室横に洗面台やトイレがございますので、安心して検査をお受けください。
  • 検査ごとにご注意いただくことが異なりますので、詳しくはスタッフにご確認ください。

マンモグラフィー(乳房X線撮影)

マンモグラフィ-とは乳房X線撮影のことです。
乳房は柔らかい組織でできているため、専用のX線装置を使用します。
マンモグラフィ-は、1mm以下の「しこり」として触れないような非常に小さな乳がんが診断されるようになり、早期の乳がん検診として盛んに行われています。当院では、検診マンモグラフィ撮影認定資格を有する女性の診療放射線技師が主に乳房撮影を行っています。

導入機器

  • 富士フイルムメディカル社製:AMULET f

注意していただくこと

  • 乳房を片方ずつプラスチックの板で挟んで、平らにして撮影します。痛みを伴うことがありますが、良い写真が得られ、放射線の被曝も少なくすることができます。しばらくの間ですのでご協力をお願いします。
  • 検査着は専用のガウンをご用意しております。
  • 制汗剤やパウダーはがんのサインである石灰化に非常に似て写ることがありますので、撮影前にふき取っていただきます。(汗拭きシートをご用意しております。)
  • 撮影中、お体に触れさせていただく必要があります。あらかじめご了承ください。

骨密度測定

骨密度測定は、骨粗しょう症の診断や治療効果の判定に使用されています。当院では、低エネルギーX線を用いたDEXA法により測定を行っております。この方法は検査時間が短く、検査の精度が高いという利点があります。
測定をする部位は第2~4腰椎で、測定されたデータをコンピュータで解析して標準値(正常値)と比較することにより、ご自分の骨年齢がどのくらいか一目で分かります。
近年、高齢化や若い女性の無理なダイエットによって起こる骨粗しょう症が増加しています。ご自分の「骨」を知り、骨折などから身を守る為に定期的に期間を決めて骨密度を測定する必要があります。

導入機器

  • HOLOGIC社製:Horizon C型

注意していただくこと

  • 特に検査前の制限はありません。検査部位(腰のまわり)に金属等がある場合ははずしていただくか、検査衣に着替えていただく場合があります。検査中は、右の写真のようにベッドの上に仰向けで寝ていただくだけで結構です。検査時間は5分程度です。

核医学検査

核医学検査は、ごくわずかな放射線を出す検査薬(放射性医薬品)を投与して病気の診断をします。
体の中に入った検査薬は目的とする臓器に集まり、ガンマ線と呼ばれるエックス線と似た放射線を出します。体の中から出てくるガンマ線を特殊な撮影装置でとらえて検査を行います。検査中は寝ているだけですので安全で苦痛を伴わずに行えます。
例えば脳や心筋に集まる検査薬では、脳血流および心筋血流の異常部位が診断できます。

また骨(骨シンチグラフィ)では骨の炎症を診断し、腫瘍シンチグラフィでは全身の炎症を診断します。
核医学検査で使う検査薬は時間とともに無くなる性質をもっており、さらに臓器に集まった後は尿や便中に排泄されるため、体への影響や副作用はほとんどなく安全な検査です。

導入機器

  • GEヘルスケア・ジャパン社製:Discovery NM630

注意していただくこと

  • 検査薬は患者さんに合わせて用意しますので、予約日の変更等は必ず投与前日までに当院に連絡をお願いします。
  • 検査薬の種類により、目的の臓器に集まるまでに時間を要する場合があります。
    検査所要時間は、主治医もしくは撮影担当者にお尋ねください。
  • 検査によってはあらかじめ絶食、下剤の服用などの準備が必要な場合もありますので、主治医の指示に従ってください。